Vtuberが教える初心者向けチェス講座
チェスの動かし方はわかるけど、どこから動かせばいいのかわからない。序盤、中盤、終盤の動かし方がわからない、そんな初心者向けにどのような方針でチェスのコマを動かしていけばよいのか解説します。
チェス初心者の陥りがちなミス、将棋からチェスをやり始めた人がやりがちなことなども踏まえて解説をしていきます。
目次
概要
この記事の内容は、Vtuber同士のコラボで私がチェスを教えた内容をまとめた記事となります。 動画で見たい方はこちらでご覧ください。
【Vtuber Live】なぎなぎチェス教えて!【chess】 - YouTube
前半1時間半にわたり初心者講座を行っています。
書いている人もチェス初心者で、チェス初心者の自分がハマったことや自分はこういう感覚で指しているというものを書いていますので厳密には違うといったこともあるかと思いますがご了承ください。
なお今回使った局面はこちらにまとめております。 20200825配信 lichess
対象
- コマの動かし方はわかるが、最初に何を動かしたらいいかわからない人
- チェスを始めたばかりの人
- 将棋はできるがチェスもやってみたいという人
駒の価値
駒の価値は一般的に下記のように言われています。
- ポーン: 1点
- ナイト: 3点
- ビショップ: 3点
- ルーク: 5点
- クイーン: 9点
- キング: 無限
将棋もそうですが、下記を意識して指すことが1つの指針となる。
- ただで駒を取られない
- 安い駒との交換にならない
局面の評価は勿論これだけではありませんが一番わかり易い指標となります。 コマがぶつかったときや、価値の高いコマが取れそうなときは意識しましょう。
序盤の動かし方
やらないほうがいいこと
序盤ではやらないほうがいいことや、将棋をやってる人がやりがちな例をあげます。
同じコマを動かす
- 同じコマを動かす
- 狙われると逃げる必要があり手損になる
- 特に強い駒は狙われやすいです
- やすい駒との交換はにげるひつようがあるため
- 駒を展開できない
- 狙われると逃げる必要があり手損になる
この例では黒番が序盤からクイーンを繰り出していき白に追い回されて手損している例です。
白はポーンを中央に、ビショップとナイトを展開、キャスリングによるキングの安全確保ができている状態ですが、黒番はクイーンが追い回されて駒組が進んでいません。
手損について
将棋でもそうですが、序盤は手損が大きく響いてきます。 特にチェスの場合は顕著に感じます
下記のような理由で顕著
- 将棋にくらべ盤面が狭い
- 将棋に比べて1コマあたりの価値が高い
中央支配、コマの展開を考えて手損はしないように振る舞うべきです。 特にクイーンやルークなど強い駒は序盤に繰り出していくと狙われやすく、狙われると逃げるしかなくて手損しやすいので気をつけましょう
ルーク先の歩を突く(将棋から入った人がやりがち)
将棋をやっている人は、飛車先の歩を突くのは将棋では基本のため、チェスでルークが飛車の動きと同じ為ルークの活用を考えるかもしれません。 ただし、チェスでは序盤でルーク先のポーンを突くのはあまり良くありません。
白番は端のポーンをついてルークを上げ中央にルークを展開しました。 黒版は中央のポーンを押し上げて中央を制圧しています。
実はこの局面はもうだいぶ白は困っています。
次に白がNf3とナイトを上げても、黒がe5とポーンを突くとナイトの逃げ場所がありません。
序盤の考え方
上記のやらないほうが良い例を見ていくと、相手に中央を支配されたり、コマの展開が遅れて劣勢になることがわかるかと思います。
では序盤で一体どのように立ち振る舞うのが正解でしょうか? 序盤での目標としては下記を意識するとよいです。
- 駒の展開
- 駒をいい位置に配置していく
- 特にビショップやナイト
- 中央の支配
- チェスの駒は中央にいるほうが駒の利きがよい
- 相手の指し手を制限できる
- 将棋で言う手抜けない手だったり、先手が取れる手
- キングの安全を確保する
- 中央で戦いが起こるため、キャスリングなどで安全な地点に移動させる
- 弱いポーンができないようにする。(ここは動画では触れませんでした)
- ダブルポーン、孤立ポーン、バックワードポーンなど
中央の制圧
駒効率
チェスの駒は中央にいるほうが動ける範囲が多く、移動の選択肢が増えます。
下記画像は極端な例ではありますが、ナイトの効きを見るとわかりやすいです。
端にいるときは2箇所にしか行けないが、中央にいると8箇所に移動することができる。
このように中央に駒を展開していくと、駒を効率良く使うことができます。
キャスリング(キングの囲い)
チェスでは中央で戦いから離れるためにングが真ん中にいる初期位置は危険です。 そのためキングは端にいたほうが安全になります。 このあたりは将棋と似ていますね。
チェスにはキャスリングというルールがあります。
キャスリングの狙いは下記
- チェスでは中央でまず戦いが起きるので、攻撃されやすいため、キングはできるだけ端にいたほうが安全
- キャスリングができれば1手でキングが2マス移動できる。またルークを中央に展開できる
効率がいい手なのでできればやっておきたい手ですね。
キャスリングの条件 キャスリング - Wikipedia
中盤の指し方
中盤の指し方の狙いは下記の3つ
- チェックメイトを狙う
- 交換等により相手の戦力を弱めていく
- 終盤への準備
チェックメイトを狙う
初心者でもやりやすいチェックメイトの例を2つ紹介します
- クイーンメイト
- バックランクメイト
クイーンメイト
この局面からチェックメイトをかけます
将棋で言う頭金のような初心者にとって一番わかり易いチェックメイトかと思います。
バックランクメイト
この局面からチェックメイトをかけます
将棋であれば相駒などで受けれるので、まだ詰まない思ってしまうことがよくあるので、このチェックメイトも将棋から始めた方は気をつけておいたほうがいいです。
初期配置の弱点
こちらはスカラーズメイトと呼ばれるものです。
初期配置でf7(f2)の地点がキングでしか守っていないため、ここが弱点となっています。
この例ではいきなりクイーンが出て露骨に狙っていますが、序盤でお互いの駒組中にこっそり狙われると気づかないことも多いので常に注意しておいたほうが良いと思います。
始めたての頃はなんども、このようなチェックメイトを食らってしまうかと思います。
キャスリング後の弱点
キャスリングをしたからといって安心はできません、
将棋で言う美濃囲いにしたときに55角から64桂で詰んじゃうようなそんな感覚です。
キャスリング後そのままだと、h7地点もしくはg7地点がキングしか守りが効いておらず弱点となってしまいます。 この地点をクイーンメイトなどの形で狙われるのが初心者にはありがちなので注意が必要です。
私もこの筋が見えなくて何度もチェックメイトれた経験があります、、、常に注意が必要です。
チェスのテクニック
中盤の指し方のポイントに「交換等により相手の戦力を弱めていく」と書きましたが、具体的にどのように指すかは難しいです。
中盤は特に城跡といったものはありませんが、いくつかポイントを稼ぐためのテクニックがあります。それらを駆使して相手の戦力を削ることを考えるのが中盤での戦い方になると思います。
今回はそのテクニックを4つ紹介します。
- フォーク
- ピン
- ディスカバードアタック
- スキュア
将棋でいう手筋のようなものですね。
フォーク
将棋で言う「ふんどしの桂」や「割打ち」、「両取り」のようなものです。
e4のナイトがd6,f6のビショップとルークの両取り担っています。 またb6のポーンも両取りをかけていますね。
将棋だと歩が両取りをかけることはないので、ポーンで両取りをするのは見落としがちですが、チェスではポーンで両取りをかけることもあります。
ピン
h4のビショップがe7のキングをルークを挟んで狙っているため、黒はf6のルークは動かすことができません。 ルークをピン留しているため、ピンと言われます。
将棋でもありますが、将棋だとこの手筋に名前ついてるんでしょうか。。? 香車だと田楽刺しに近いですね。
スキュア
チェックがかかっているため、キングが逃げるしかないのですが、逃げるとb8のクイーンを取ることができます。
ディスカバードアタック
将棋でいう開き王手ですね。 例の局面の場合Nc3とすると開き王手をしつつa2にいるクイーンにあたり、クイーンを取ることができます。
決まると気持ちいい一手ですね。
終盤の指し方
チェスの場合終盤になると駒の数が減り、ゲーム性がちょっと変わってきます。
終盤のポイントは下記の2点です
- ポーンが重要
- プロモーションを狙うように展開していく
- キングが強力な駒となる
- ポーンを支えながら敵陣に入っていく
残った駒によって終盤の指し方は変わってくると思うのですが、キングとポーンだけが残った局面ではプロモーションをどちらが早くできるかといった勝負になります。
終盤の一例です
最後に
私自身初心者ではありますが、Vtuber仲間の綾瀬綾ちゃんから教えてほしいと言われ、 自身がハマりがちだった点など、経験も踏まえて解説したつもりであります。 チェスを始めたばかりの方、将棋からチェスを始めた方にとって少しでも参考になれば幸いです。