Macで将棋ソフト(将棋所)と水匠2を導入する
将棋GUIソフトって基本的にWindowsで動くものが多いのですね。 有名なものだと
- ShogiGUI
- 将棋所
の2つかと思います。
この中で将棋所については最近「将棋所Mac」というものがリリースされていて、Macでも使えるようになったようです!
今回はその導入方法について記載していきます。 ゴールとしては水匠2を使って検討が行えるところまでやっていきます。
目次
やることの流れ
- 将棋所Macの導入
- 将棋ソフトYaneuraOuのコンパイル
- 評価関数(水匠2)の導入
- 将棋所に水2を登録して検討する
注意点として将棋所Macを入れればMacで将棋所は動くようになるのですが、エンジンは自前でビルドする必要があります Windows用のエンジンのバイナリは公開されていたりしますが、Mac版は公開されているところは少ないと思うので今回は自前でビルドしていきます。
また、今回は評価関数には水匠2を利用させていただきます。
将棋所Macのダウンロード
下記のダウンロードページから将棋所Macをダウンロードして、アプリケーションフォルダに入れます。 将棋所Mac:ダウンロード
アプリケーションをダブルクリックして将棋所が立ち上がればOKです。
ただこの状態では将棋のエンジンが何もないので、まだソフトを使った検討等はできません。 将棋エンジンの導入について後述していきます。
将棋ソフトYaneuraOuのビルド
ソースコードのダウンロード
下記githubから最新のリリースタグの付いたソースコードをダウンロードしてください。
今回は~/Downloads/YaneuraOu-4.89
に展開したものとします。
YaneuraOuのビルド
ここからはMacのターミナルを使って操作します。
$ cd ~/Downloads/YaneuraOu-4.89/source/
$ cp Makefile Makefile.org
$ vim Makefile // 49行目~50行目のCOMPILERの設定をg++を使うように下記のように書き換えてください
// vim で操作してますが、他のでディタで編集しても構いません。
COMPILER = g++
#COMPILER = clang++
$ diff Makefile.org Makefile // diffが下記のようになればOK
49,50c49,50
< #COMPILER = g++
< COMPILER = clang++
---
> COMPILER = g++
> #COMPILER = clang++
$ make // makeコマンドは1~2分ほど時間がかかるかもしれません
// warningがたくさん出ると思いますが、エラーで止まらなければ問題ありません
$ ls -l YaneuraOu-by-gcc // ファイルが生成されていればOK
ここまででYaneuraOuのビルドは完了です。
評価関数(水匠2)の導入
水匠2の開発者のたややんさんが、GoogleドライブとOneDrive上で世界コンピュータ将棋オンライン大会で使用した評価関数と探索部を公開してくださっていますので今回はこちらを利用させていただきます。
2020年5月3日、5月4日に行われた世界コンピュータ将棋オンライン大会で使用した評価関数+探索部を「水匠2」として公開いたしました。興味のある方は遊んでみていただければ幸いです。https://t.co/xu4GgUgHw9
— たややん@水匠(COM将棋) (@tayayan_ts) May 4, 2020
たややん@水匠(COM将棋)さん (@tayayan_ts) / Twitter
水匠2のダウンロード
下記のGoogleドライブかOneDriveから「水匠2(200504).zip」をダウンロードします。 将棋 - Google ドライブ公開 - OneDrive
ダウンロードしたzipファイルは解凍して、任意の場所においておきます。
解答したディレクトリの中に先程ビルドした、YaneuraOu-by-gcc
をコピーしておきます。
この時点でディレクトリ構成は下記の様になります。
将棋所の設定
将棋所に水匠2を登録していきます。
将棋所を起動し、「対局」=>「エンジン管理」開きます。
エンジン管理画面で追加をクリックし、水匠のディレクトリにあるYaneuraOu-by-gcc
を選択して開きます。
これで水匠2の登録は完了です。
検討してみる
「対局」=>「検討」をクリックします。
検討の設定が出てきますが、エンジン設定のエンジンに「Suisho2/YO4.89_NNUE_m」を指定してください。
最後に
私の場合普段は基本的にMacしか使わないので、将棋所のMac版が出てくれて非常に助かりました。 これで検討や研究が捗るので、棋力の向上のために役立てていこうと思います。